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プラネタリウムコンサートにかけた想い

 
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菊地 マリコ
ボイスアーティスト 菊地マリコ。

教員免許を持つナレーター、多重録音シンガーです。

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1、はじめに

わたし、集客が苦手です(笑)

 

しかし今回の大切なコンサートは紛れもなく、

ただひたすらに不器用な私が

一心不乱に作り上げてきたステージです。

私の人生を切り取って作った大きな舞台です。

 

会場は300名近くのお客様をお迎えできるプラネタリウムです。

大事な大事な本番を迎えつつも、

告知面という問題に大きく直面してしまいました。

 

いままで好きなことを全力で全力で楽しみながら、

一直線上にひたすら駆け回っていました。

もしかしたらこの大きなチャンスが、

私にはもう人生懸けての最後の舞台になるのかもしれない…

と、そんな不安すら抱えています。

 

それならば、と、今回は私の想いを正直に、

書き記した方がいいように思いました。

 

もしこれが最後になっても悔いのないように。

2、幼少期

 

幼少期に、父の仕事の都合で

1年ほどカリフォルニアに住んでいました。

まだ日本語すらも上手に読み書きができないときでした。

(※平仮名は読めないのに譜面は読めてピアノは弾いていたという、

人間じゃなくてピアノと会話する中途半端なタイプなのでした笑)

 

まだ若かった父と母は、

コミュニケーションも上手に取れない私を連れて、

あらゆるアメリカの地に連れて行ってくれました。

空高く広がる大自然、永遠に続くワイン畑。

中におうちが作れそうなほどの大きな樹、

ミルフィーユの美しい地層のハーモニー。

 

雷が鳴れば幼稚園の先生が私たちを外に連れ出し、

イナズマの閃光を生で見せてくれました。

 

自然との触れ合いの機会が多い中、

私の脳裏に色濃く焼き付いたものは、

「スペースシャトル」と「宇宙」の存在でした。

アメリカにはNASAの存在もあり、

宇宙への関心を惹きつけるキーワードが多く

日常に散らばっていたのかもしれません。

 

博物館を巡り

次第に宇宙の図鑑の世界に没頭し、

多国籍の友人も増えて自我を発揮してきたころ、

私の脳内はいつしか地上を離れ

宇宙の無重力空間の中「宇宙の果て」を

探して飛び回っていたように思います。

 

そんなこともあり、

地球の星に生きるみんなが

手を取り合って笑い合う世界というのは

この頃からぼんやりと描いていたのかもしれません。

3、記憶の入り口で

 

時代は流れて、

声優の事務所に所属させて頂いた頃、

「あなたのアイデンティティはなんですか?」と質問されました。

 

それはきっと、音楽の世界。

あらゆる葛藤に出会うのも、

あらゆる葛藤から解き放たれるのも、私にとっては音楽が全てでした。

 

その頃から「AとBを掛け合わせて、面白いものを作る」

のが大好きだった私は、

ふと幼少期に頭の中をワクワクでいっぱいにした宇宙の存在が

記憶の入り口でフワフワしているのを思い出したのです。

「宇宙と音楽を、組み合わせた世界を描きたい!」

そう思った途端に、

身体中に暖かなイナズマが走り抜けた感覚がしたのでした。

 

4、奇跡の出逢い

 

宇宙の情報を勉強するために、

情報収集をしたり、

シンポジウムに参加しました。

イベントや展覧会の仕事にも関わることがありました。

 

ちょうど、不器用ながら皆さんのお力をお借りして、

宇宙の舞台を制作している時です。

 

そんな中で、新しい価値観に出会いました。

 

『人間は瞳に映る情景を

全てと捉えがちで、視野を狭く見てしまう。

ところがISS(国際宇宙ステーション)から

地球を見ていた宇宙飛行士たちは、

”私の故郷はちょうどあのへんの地域、僕はあのあたりの場所”

と指を差し合っていた頃から、いつしか

”私たちの故郷は地球という星である”

と捉えるようになった。』

 

とある物事のスケールを、

瞳(ひとみ)の物差しで見るか。

それとももっと大きな時代のスケールか。

あるいは大きな宇宙のスケールで考える。

するとその見え方や考え方が変わってくる。

 

という話でした。

それまで私は、

目の前のことで一喜一憂する性格でしたので

(今もですけども!笑)、

スケールを変えると心の持ちようが変わるという価値観は

大きな衝撃を受けたような出逢いがありました。

 

じゃあ私は実際に宇宙に出なければ、変わらないのかな?

そうだとすれば、その素敵な生き方は宇宙に行った数人しか変えられないよね。

……たとえば、もう宇宙に行ってきた気になって、

明日から自分の価値観を変えることは

出来ないかしら(笑)

 

そんなことを思いながら、

ちょうどネット上でタイムリーな情報に出会うことができたのです。

 

“葛飾区 郷土と天文の博物館の
プラネタリウムは全て館の企画制作。
その熱意と臨場感がヤバすぎる。”
“ただいま、国際宇宙ステーションで宇宙飛行士が見た美しい地球を上映中。”

 

それはまるで奇跡のような出逢いでした。

 

葛飾区郷土と天文の博物館|Katsushika City Museum

5、葛飾区 郷土と天文の博物館

 

私の頭の中で描き続けているオリジナルストーリーがあります。

平和をテーマにしたお話で、

かれこれ三部作くらいの超大作になりました(笑)

いつしかそれを皆さんの元に届けたいな、

なんて描いてたりする大きな大きな夢なんです。

 

その物語に出てくる大事なシーン

 

“主人公が初めて地球の外側に出て、

その見事な景色に言葉を失う。

やがて地球から発する声に気づき、

地球の歌に包まれながら涙する”

それが、「Voice of the Earth」

この頃、熱心に作っていた地球の歌でした。

(【星が歌っている】この素敵な切り口は、以前見ていたTEDのプレゼンテーションで

ヒントをいただきました。地球も星も、みんな歌を歌っているそうですよ。)

 

この楽曲は桜式部のライブでも何回か歌わせて頂きました^^

 

その地球を外側から眺めたとき

どんな感覚を覚えるのだろうという答えは、

東京都葛飾区のプラネタリウムで叶えてくれることが分かったのでした。

心臓の高鳴りを聴きながらドキドキとスタンバイ。

 

デジタルプラネタリウムが映し出す大迫力の映像の力と、

酔いそうになる臨場感、心を揺さぶる音楽の組み合わせ、

魂のこもった生解説のリアル感。

 

今までのプラネタリウムでの観賞を覆されるような

大きな衝撃体験となりました。

 

6、名物学芸員の新井達之さん

 

プラネタリウムの出口で、

「制作した方に一言御礼をお伝えしたいのですが…」と職員さんにご相談したら、

すぐに男性職員さんが出てきてくださいました。

 

上映のエンドロール上にも何度もお名前が挙がってきた、

葛飾区 郷土と天文の博物館の全ての上映作品を

企画制作している中心人物、名物学芸員の新井達之さんです。

 

「私の欲しかった世界はここにありました!!

本当に有難うございます!!ここに来てよかった!!」

 

泣きじゃくりながら思いの丈を新井さんにぶつけまくると、

新井さんもまた熱心にプラネタリウムへの愛、

音楽への愛、音響や機材への愛、制作に懸ける熱い想いを

ビッグバンの如く語りまくってくださいました。

 

そう、新井さんもまた、

幼少期の頃から宇宙と音楽の世界に没頭された宇宙音楽少年だったのです。

 

7、宇宙の呼吸感

 

博物館の大人気シリーズのひとつに、

“シンフォニー・オブ・ユニバース”という作品があります。

 

「クラシック音楽×プラネタリウム」の掛け算で生まれた新井さんの人気作品です。

宇宙世界のストーリーに合う、展開・テンポ感・方向性のマッチした音楽を融合させたり、

あるいは、音楽の深い音世界や作曲者へのリスペクトを宇宙表現でリンクさせたりと、

あらゆる切り口と緻密な演出でクラシック音楽と宇宙世界をドッキングさせているプログラムです。

 

幼少期時代に音楽経験のある新井さんならではの

双方へのリスペクトとこだわりをもって作り上げた作品で、

この映像世界に入り込んだ際にも、どうしても涙が止まりませんでした。

そんな新井さんが唯一無二のプラネタリウムとして

大きなこだわりを持っていらっしゃること。

 

それが、「ライブ感」です。

 

 

魂を込めた生の天文解説。

そして映像再生ではなくリアルタイムに

計算して映し出している迫力の宇宙世界なのです。

(なので、たまにタイムラグがあったり、

意外なところで星が映り込んだりもしています。)

 

「生の言葉、生の映像、お客様とのその時でしかない空気感。

作り物の世界ではなく、出来る限りの力をフルに使って、

“今の私たちは大きな大きな宇宙の中に生きているんだ”

ってことを感じて頂きたいんです。」

 

新井さんが熱く語ってくださいました。

 

宇宙の呼吸感を感じること。

 

それはまた、

人生のスケール感を時空や宇宙規模でとらえて

目の前の日常の考え方を変えるヒントに繋がったり。

 

あるいは、地球という星に生きる人として、

手と手を取り合って笑いあえたりする未来に

繋がることにもなるのかもしれません。

 

8、ライブ×ライブの挑戦へ

 

新井さんに、人生観の話をさせて頂いたところ、

新井さんからとても深いお話をして下さいました。

 

「博物館やサイエンスは、現状知り得た事実を伝えることができます。

音楽の世界は、価値観を共感させる力があります。

 

サイエンスの先のファンタジー。

あるいは、ファンタジーの先のサイエンス。

双方の切り口から行き着くその先の先に、

きっと体感したことのない世界が描けるような気がしています。

 

まだ誰も踏み込んだことのない世界ですから

簡単な道では無いことは容易に想像できますけどね…。」

 

天体解説員と、音楽クリエイターがタッグを組んだ、

「宇宙と音楽」を繋げる企画。

 

または、ライブ×ライブの新たなる実験プロジェクト。

 

宙ノ話-soranowa project-の企画発足となった第一歩でした。

 

9、プラネタリウムコンサートに向けて

 

コンサートの大チャンスを頂いたものの、

私自身にもまだまだ大きな課題があります。

 

元々はコーラス担当として歌う機会はありましたが、

ソロとしてステージに立つ経験。

大きな会場に告知する経験。

私にとってゼロからのスタートです。

 

とてつもない大きなプレッシャーに、

寝不足と不安に押し寄せられるようになりました。

 

しかしながら、今回のチャンスは、

私の歩んできた人生そのものが、

舞台に集結したような貴重なステージです。

 

1年以上じっくりと練って練って、考えに考えて、

色んなところに取材に行き、新幹線で講演を聴きに行き、
削ぎ落としたり足したりしながら、

 

「日常と宇宙には、こんなところに接点があるんだよ」

 

という切り口に落とし込みました。

 

それに触れられるような

演出、宇宙解説、映像世界、音楽制作、選曲に全力を尽くして下さった

宙ノ話-soranowa project-のクリエイターの皆様

(ゼロスタートの中、想いだけで、日夜制作に協力して下さっております)、

背中を押して頂いた大先輩の皆様方より

多大なる魂を込めて頂きました。

 

色んな切り口から「面白い触れ合いがあった!」と

楽しんでいただけるように工夫を凝らしております。

新たな試みなので色んな意見が飛び交うかと思います。

ですがそれも含め、

宇宙と日常の繋がりから気づきが芽生えるキッカケにもなるとも信じています。

 

今回のプラネタリウムコンサートの誕生に

是非、足を運んでいただけたらとても嬉しいです。

 

10、コンサートは事前予約制です

 

宇宙と日常のコラボレーションは、

これからも発信していきたいことが沢山沢山あります。

まずはその貴重な第一歩、、、

それも月面着陸をするような貴重な一歩となりました。

 

そして小さなひとりの宇宙好きの私が、

本番のチャンスを迎える日までに、

博物館の皆様、クリエイターやミュージシャンの皆様をはじめ、
役者や声優の皆様、メンター様、先輩方、仲間たち、友人知人、

SNSで繋がって下さって応援して下さっている皆様方、

抱えきれないほどの出会いと感謝と、ご協力を頂きました。

 

心からの感謝の気持ちでいっぱいです。

 

その想いを、全力で、11月8日と9日のコンサートにぶつけます。

 

是非とも、新しいコンサートを目撃して頂けたら嬉しいです。

 

事前お申し込みは、10月25日(金)必着です。

葛飾区の運営になりますので、

応募方法はインターネットで申し込んでいただくか、往復葉書になります。

長々と語ってしまいましたが、

最後まで読んでくださって、誠に有難うございました。

 

心より感謝申し上げます。

 

引き続き全力で頑張りますので、本番当日まで、どうぞよろしくお願いいたします。

※画像はフリー画像素材のpixabayからお借りしております。

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