ナレーターQ&A『ちょっとした話す機会。どう喋ると聞き取りやすい話し方になるでしょうか?』

新企画「ナレーターQ&A」がはじまりました。
ナレーター・声優・司会者など 喋りのプロを目指している方、将来 声の仕事に就きたいと考えている学生さん、
あるいは、学校や仕事の場でのプレゼンや発表など。日常の場でも話をしなければならない機会が沢山あります。
そこで、声、あるいは声の仕事に関する質問やお悩み相談を募集し、
プロのナレーター&現役教師である菊地マリコが、声の仕事、プレイヤー、
コミュニケーションの視点から独自の考えをお伝えしていきます。
【質問#1】ちょっとした話す機会。どう喋ったら聞きやすい話し方になるのでしょうか?
「私はプロは目指していない素人ですが質問しても良いでしょうか?
大きな発表の場でなくても、生活や仕事をする上で、話をしなければならない機会が沢山あったりします。
例えば…
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小さな発表会で影アナウンスをするとき
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仕事でカンファレンスに登壇したとき
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仕事でプレゼンテーション動画に説明を吹き込まなくてはならないとき
動画サイトなどでノウハウを検索しても、プロ向けや本格的な発表の場ではないし、
シチュエーションの大小によっても気をつけることが変わるのかなと思うので、
簡単なポイントを教えていただけたら嬉しいです。」
まずは…すごく素敵な質問をありがとうございます!
たしかに…発声や喋ることに対するニーズは、
プロの現場だけでなく、どんな方にも当てはまってきますよね…!!
◆“話すこと”は誰にとっても身近なもの
「私はプロじゃないから…」なんて、ハードルを感じる必要はありません。
話すって、みんなが毎日やっている“生きるためのコミュニケーション”なんです。
大げさじゃなく、本当に、誰もが“話すプロ”になれると私は思っています。
◆私なりの“聞きやすい話し方ポイント”を、正直にお伝えします!
バリバリでガチガチの場じゃなくても、
簡単に聞こえやすくなるポイントはいくつかあるんです。
並べてみますね。
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母音を意識する(ア・イ・ウ・エ・オの口の開き方)
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子音を意識する(k・s・t・n…など舌や唇の動き)
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口を大きく開ける
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抑揚をつける(強弱や緩急)
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「気持ちを上げて話してみる」や「声のトーン(高さ)を少し上げてみる」「ゆっくり話してみる」
でも…ここで大事なお話
これらのポイントポイントをぜーんぶ意識しながら話す必要は全くありません!
「喋りの技術」って、そこばかりを意識してしまうと、実は一方で、疎かになる部分が出てしまうんです…。
……それは、肝心の中身!!(笑)
それに、姿勢や表情や感情とか!
非言語コミュニケーション、そう、喋り以外の部分です!!
◆“喋り”に正解はある?――キクマリ節寄り道タイム
「こうしなきゃ」「上手にやらなきゃ」って思うほど、言葉がこわばってしまう。
私も実は、教壇や現場で「あー、今の発声、微妙だったかも」って反省することはたっくさんあります。
でも、それでいいんです。
そもそも「正解」なんてどこにもありません。
相手に「理解できるように伝わる」ことが、一番大事なんだと思います。
誰かのためにお話をしなければならない日、たとえ、技術的カバーで単語単語が聞き取られやすくなったとしても、
そこに、あなたならではの人情味や心がなかったら、
「あれ?えっと…結局、なんの話だったっけ…」と思われてしまうことがあります。
それはとても残念無念ですよね…。
◆キクマリ流 “伝わる喋り”の土台は「人情味」
私の考える“話の魅力”って、まずは土台に人情味があってこそ。
そこに、技術と両方のバランスが伴って、「聞きやすい喋り」が作られていくと考えています。
ですから、「喋りの技術」は意識しすぎないのが、ベター!!!!!!
「まずは聞き手に伝えたいんだ!」って気持ちが、何よりも1番大切だと思ってます。
◆マリコからのワンポイント補足
よく生徒さんにオススメしているのは…
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「口を大きく開ける」=母音がハッキリして、一音一音がクリアになる!
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「声のトーンを上げる」=息の量が調整されて、声にハリが出て、届きやすくなる!
…なんですが!
意識して欲しいことは、もっともっと簡単です!!
「伝われ!」って想いです。
その気持ちで話すだけで、実は自然に、「声のハリ」も「高さ」もついてくるんです。
逆に、スーパーで一人で買い物していたとして、
「ふぅ〜ん、今日はお肉が2割引かぁ…何作ろっかなぁ…」と呟いたとき、
誰にも伝える気持ちがなければ、その言葉は真下に落下していくんです(笑)
つまり、「伝えたい!」という意思があれば、言葉のボールはまっすぐ飛んでいきます。
それが“聞きやすい喋り”への、第一歩!!!
◆さいごに:まとめ&エール
技術って聞くと大変なように感じますよね。
「技術が分からなくて…自分は喋りが上手じゃないし自信がないんです」
という方の声は、学生さんから社会人の方まで、とても多く寄せられます。
でも、堅苦しく考える必要はないんです。
「アレモコレモ気をつけなくちゃ、喋りは上手くならないんだ!」と構えすぎず、
「ま、キクマリもそんなこと言ってたな。まずはひとつ気にしてやってみるかね。」
な〜んて感じで、まずは余計な肩の力を抜いてリラックスリラックス。
そして“誰かに何かを伝える機会”を
どうぞ楽しみながら挑戦してみてください!
(結局それが大事なんですよねえ〜〜〜〜〜)
◆【まとめのポイント】
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話し方テクニックは“1つだけ意識”で十分
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「伝えたい!」という気持ちが声の質も変える
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“正解”はひとつじゃない。不完全さや迷いもOK!楽しみながら挑戦だ!
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